我がまちの元気企業

【諏訪市】 

株式会社ピーエムオフィスエー

精密プラスチック金型設計技術をベースに、キャラクターグッズ業界へ!
事業内容:プラスチック製品の設計・開発、キャラクターグッズの
     企画・製造・販売

  • 創 業  2000年(平成12年)8月
  • 所在地 諏訪市沖田町3-22-1
  • 電 話  0266-54-5556
  • 代 表  山口 晃氏(ヤマグチ アキラ)
  • URL  http://www.pmoa.co.jp/

同社は2年前まで自動車や弱電向けのプラスチック部品の金型製造を行う下請け企業でしたが、リーマンショック後、メーカーの海外シフトにより受注が減ったことで、新しくプラモデルやフィギュア等の「キャラクターホビー事業」に着手しました。自動車や弱電向けの金型技術を駆使し、諏訪の強みでもある「超精密」をウリに、1,000分の1ミリの精度で生産される細く精巧なデザインがマーケットに受け入れられています。            (関東経済産業局電子広報誌 いっとじゅっけんより)

続きおよび詳細は、>>いっとじゅっけん(関東経済産業局のサイトへ)

【川崎市】

株式会社ユニオン産業

産学公・市民グループとの連携で次々とエコ商品を送り出す

事業内容:プラスチック部品・製品の製造・販売

  • 創 業 1972年(昭和47年)2月
  • 所在地 川崎市中原区井田杉山町2-3
  • 電 話  044-755-1107
  • 代 表  森川 真彦氏(モリカワ マサヒコ)
  • URL   http://www.uni-project.com

若くしてプラスチック成型加工業を始めた森川真彦社長は、創業20年目を過ぎたころカナダへの自社製品の売り込みの途次、トウモロコシを主原料にした微生物で分解できるバイオプラスチック“ノボン樹脂”に出会った。
環境公害に関心の高かった森川社長は「これこそが次の時代のプラスチックだ!」とひらめいたという。以来、自然環境への負担の少ない環境樹脂の普及のため、様々な商品化の活動を続けている。

●創業時代は夢中で仕事に取り組み、苦しさは無かった。

プラスチック成型加工業を営んでいた父親が、事情により会社をたたみ、厚木の工場も他人の手に渡ってしまったのは、森川社長が22歳の時であった。母親が病弱なうえ3人兄弟の長男として大きな責任を自覚した森川社長は、アルバイトで20万円を貯め、2年後に中古のプラスチック射出成型機を購入し創業した。
創業当時は仕事が殆ど無く苦しい時期が続いたが、当時創業したばかりの自動車アクセサリーのトップ企業㈱カーメイトの社長が、父親の事業を手伝いデリバリーで出入りしていた森川社長に目をかけて注文を出したのがきっかけとなり、今日までの成長の基盤となった。「機械にとりついていることが楽しく、夢中で仕事をしました。創業の苦しさは全く感じませんでした」と当時を振り返る。

●産産連携で生まれた環境樹脂「UNI-PELE」(ユニペレ)

その後カナダでノボン樹脂に出会った森川社長は、すぐに商品化に取り組み始めたが、課題も多かった。バイオプラスチックは生物資源を活用するため安定供給に難が有り、高価であること、また耐久性・機能性で従来のプラスチックに大きく劣ること、そして一番の問題が当時の社会に環境への関心が充分醸成されていなかったことである。
自然環境にやさしい環境樹脂の普及に使命感を持った森川社長は懸命に売り込んだが、事業としては失敗の連続であった。しかし中断することなく展示会やパブリッシングなどで営業活動を続けているうちに、某素材メーカーの目に留まることとなり、連携して新素材の開発に取り組んだ結果、「環境樹脂UNI-PELE」が誕生した。
「環境樹脂UNI-PELE」は、竹の廃材を配合した“TAK-REM(タクレム)”と麦皮廃材を配合した“BER-REM(バーレム)”の2種類がある。特徴としては、共に天然の有機廃材を使用しているため、一般樹脂と比較して燃やしても有毒ガスやCO2の発生が少なく、燃焼カロリーも低いため焼却炉を痛めない。また抗菌作用があるため食品衛生法による容器衛生規格の取得ができ家庭用品へ転用可能であったこと、そして廃材を利用しているため安価で供給面も安定している。現在では竹や麦皮廃材活用の他、コーヒー豆カスや杉の間伐材などの応用も研究中であるという。

産学官公さらに市民グループとの連携でエコ商品の開発

環境樹脂UNI-PELEは、食品トレー、箸、花立て、ポット、フェンス、ゴルフティー、また野菜の鮮度を保つ冷蔵パック“シャキッとシート”等、様々な商品へ登用されている。しかし普及には更なる用途開発が重要であると考えた森川社長は、各所からアイディアを取り込む活動を進めている。
その一例である吸盤付き幼児用食器「Q-Bamboo」は“竹粉配合樹脂を用いた新商品企画”をテーマに専修大学3年生の5人をインターンシップとして登用し生まれた商品である。キャッチコピーは「赤ちゃんから子供デビュー」、抗菌作用があるため衛生的であり、さらにテーブルに張り付く吸盤を底に付けることで1,2歳児でも上手にご飯が食べられる食器となった。 また、子育ママたちの情報サイト“MAMA-PLUG(ママ・プラグ)”から生まれた離乳食用の弁当箱「Bam Boo Boo」も衛生面やにおいがつきにくい特徴を活かしている。箱には保冷剤を入れるスペースがあるため、どろどろの離乳食を夏でも戸外へ持ち出せるという。
企業間の連携では、平成22年の川崎市「知的財産交流会」で出会った富士通の開放特許を活用、環境に配慮した衝撃吸収型梱包材「ワンタッチトレーパック」を製作した。電子機器・精密機器・ガラス・貴金属などの輸送に使用するこのパックは、部材費低減、サイズ縮小、作業効率アップなどの画期的な機能を実現している。さらに、大学発ベンチャーで皮膚の自己回復能力を活性化させる画期的化粧品を開発している㈱ナノエッグは石鹸トレー「マリアンアソープディッシュ」に環境樹脂UNI-PELEを採用、川崎市内の企業連携で生まれた商品を強く印象付けている。
このような外部からのアイディア登用に頼るだけではなく、3月5日の東北新幹線はやぶさ弁当箱(UNI-PELE製)は自社で企画・提案活動を実施、青森などで発売され話題になっている。

子供たちが安心して暮らせる明るい未来の創造にむけて

「当社の使命は環境素材の普及により、地球環境の蘇生を実現することです。そのためには会社そのものの存続が第一の課題。社員ともども頑張っていきたい」と意気込みを語る。週末は横浜市中区山下町にある直営販売店の“濱族(はまぞく)”を手伝う。社長の趣味の一つでもあり、店頭に並んでいるカウチンセーターやレトロ小物に囲まれた生活を精一杯楽しみながら、環境樹脂の普及のため、夢中で仕事に取り組んでいる。  

【川崎市】

株式会社リフォース

精密板金加工技術でデザイン重視の新分野に挑む

事業内容 :精密板金加工

・創 業 1964年(昭和39年)5月
所在地 川崎市川崎区塩浜2-19-17
電 話  044-276-1161
代 表  椛沢 瑛一 氏(カバサワ エイイチ)
・URL http://www.re-force.co.jp
多目的デジタルサイネージ
最新鋭の生産・加工設備を活かして、果敢に新しい商品分野の開拓に挑む企業が、川崎区塩浜にある。株式会社リ・フォースは、長年の実績で蓄積した加工ノウハウと意匠デザイン・スキルを統合し、自社独自の商品開発に乗り出し、注目を集めている。

最新鋭の加工設備で新分野に進出

「最近、見本市のブースで展示してあるわが社の製品が盗み撮りされるのですが、いくら真似をしようとしても、うちのような高精度の加工はなかなか他社さんにはできないと思います。それは、加工方法が違うからなんです」と、リ・フォース社の椛沢瑛一社長は誇らしげに語った。
同社の加工精密度の高さは、保有する最新鋭の加工設備に支えられている。溶接部分に必要最低限の熱をピンポイントで加えるという方式をとったレーザー溶接機は、素材に発生するひずみを防ぎ、商品の美しい仕上がりを実現する。その長所を活かして開発したのが、同社の独自新商品である『iPadサイネージ』である。「見本市でこの商品を見た人は、『リ・フォースさんはすごいモノをつくっちゃったね』と言います。実際に、このサイネージが使われているところを見に行くと、周りがよほどお洒落でなくては浮いてしまうほど美しい。これからは高級感を必要とする場所に普及していけば」と自信を見せる。
同社がそれだけ高度な加工能力を持っているのは、前社長(現会長)が技術へのこだわりを持って、積極的に新設備を導入してきたからだという。

遊戯機械製造で鍛えられた意匠デザインセンス

リ・フォース社はもともと東京都大田区の大森で板金加工業として1964年に創業、2008年に四代目社長として椛沢瑛一氏が事業継承するまで、長年にわたって自社ならではの技術を蓄積した。その後社業の拡張に伴い川崎市内に移転、様々な分野の板金加工を手掛けてきた。
そして同社が意匠デザインにこだわるきっかけとなったのは、大手遊戯機械メーカーとの取引で、ゲームセンターにあるような大型アーケードゲーム機の部品加工を手掛けたことであった。大型ゲーム機は、遊びに来た人の目を惹くような華麗さが必要とされるため、部品それぞれに精密で美しい加工を施す必要があった。このことが加工精度を高めるだけでなく、加工対象の美観を向上させることにも力を入れていく理由になった。
そこで同社は高度な加工設備の積極的導入に踏み切ったが、これらの設備の能力は自社デザインの商品でなければなかなか活かしきれないことに気がついたという。まず、これだけの高精度の加工ができることを設計担当者が知らなければ、それだけの要求をデザインに盛り込むことはありえない。しかし部品加工を他社から受注する場合は、発注側はある特定の一社にしか加工できないくらいの高い精度を求めることは取引上あまり好まないので、やはり最新鋭の設備のキャパシティを最大限引き出すというところまではなかなかいかないという問題があった。

●自社設計で新しい商品分野の開拓へ

遊戯機械の業界が成熟してきたこともあり、同社は部品加工以外に、より高付加価値の生産を意図して、自社独自の商品開発・展開を手掛けはじめた。意匠デザインの重要性を強く意識してきた過去の経緯から、自社商品を開発する際には、プロダクト・デザイナーと提携、協働して意匠を創案する取り組みが成果を上げている。
単に取引先から届いた設計図に従って部品を加工するだけでは、ついつい生産効率ばかりを優先してしまいがちであった。「ノベルティ向け商品としてペン立てをデザインすると、プロダクト・デザイナーは美観から考えて曲面にこだわるのですが、これは作りやすさばかりを優先していると、なんでここを曲面にしなければいけないのか、平面でいいじゃないかとなってしまいます。しかしそれでは、魅力的な意匠にならないのです。我が社では社内で設計から生産まで行うために、保有する設備の能力を活かして、意匠の魅力を引き出すためのぎりぎりまで追求できます。また表面処理・塗装なども協力企業とよく打ち合わせて、商品の良さを引き出す色合いなどに気を使っています」。
同商品を試験的に見本市に出品してみたところ、業者に注目されて反応が良く、商品としての可能性に気付き、積極的な販売展開に踏み切る決断につながった。同社は実際にこのペン立てを社員募集の説明会でも来場者に配っているが、魅力的なデザインがもらった人の意識に強く残るので、商品に記載された連絡先も注目されやすく、パブリシティに効果を上げているという。

● いいものづくりにつながる人材を育てたい

設計技術の変化で、ものづくりに必要なコミュニケーションの形も変わってきていると椛沢氏は分析する。「取引先がこちらに発注してくる場合、3次元CADでつくった設計データをメールでやりとりするだけになると、完成図の中でかたちが成り立っているが、作るときのことを全く考えていない、というデザインの持ち込みが増えてきました。そのときに、こういう風にしたほうがもっとつくりやすい、といったことをこちらから提案することが、よりよいものづくりに繋がると考えています」。同社はそういった技術知識を踏まえた上で改善提案ができる営業担当者の育成を心掛けており、ここ数年で何名かの若手社員を鍛えることができたという。
また、これまでになかった新しいコンセプトの商品開発にも積極的に取り組み、新しい市場の開拓を目指している。たとえば、同社が日本で最初に導入したパイプのレーザー加工技術を活かして、ペット向けの仏壇などを自社でデザインしている。特にこの商品については、新しい分野に挑戦したがる若手担当者に任せる方針である。今後も、自社内で設計から生産まで行うからこそのスピードを活かし、積極的に顧客のニーズに応えていく体制を作り続けていく。

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